いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > KEK(協和施設園芸協同組合)グループ 有限会社 NKKアグリドリーム

トマトはそもそも野菜、それに「フルーツ」とつくのは果物のように甘いから。
市場に出まわる他のフルーツトマトが、糖度7度ほどをうたう中、NKKアグリドリームで栽培されるトマトはそれを超える9度以上。そして、その大きさ。一般にフルーツトマトは小ぶりで、ミニトマトのようなかたちをしていますが、ここに、今まで見たこともない大玉の“スーパー”フルーツトマトがありました。

きっかけは新しい需要を喚起するもの

-「スーパーフルーツトマト」とは?

宮田さん ふだんスーパーでみかけるトマトの糖度がせいぜい4度くらいのところ、フルーツトマトと呼ばれるものは6~7度あります。我々の「スーパーフルーツトマト」はそれを上回る9度以上。糖度センサーを使って糖度チェックをしているので品質には自信があります。

-フルーツトマトの栽培に取り組むきっかけは何だったのでしょうか?

宮田さん 栽培を思いついた当時、フルーツトマトは実が小さいものばかり。実が小さくて価格が高かった。木になる数が一緒で、実の大きさを何倍かにすれば、安くて美味しいトマトができ消費者によろこんでもらえるのでは、と考えました。

栽培には5年の歳月が必要だった

-種の確保や栽培方法を確立するのは大変だったでしょうね。

田さん フルーツトマトの栽培では水を絞ります。器に入った砂糖水の原理です。砂糖水の水が少なくなれば甘さが増します。ただ、甘さが凝縮するのはいいのですが、 水を制限すると実が大きくならない。世界中のトマトを見てまわりました。そして自分たちで作り上げたのが、オリジナルブランド「KEK1号」という品種です。栽培を始めてからも試行錯誤が続き、安定した収穫が見込めるようになるまでに5年かかりました。

-すべての実をスーパーフルーツトマトにするのですね。

川崎さん トマトの苗は成長すると下の花房から実をつけ、徐々に上に向かっていきます。我々のトマト栽培の特長は、その最初の実からスーパーフルーツトマトとして収穫できることです。これはなかなか難しいことで、そのために水の調整や養液はもちろん、ビニールハウス内の二酸化炭素濃度の調整、遮光など、さまざまな方 法を組入れています。

-フルーツトマトの中でも特殊な品種で栽培方法も異なるのですね?

宮田さん かつてフルーツトマトには実の重さが130グラムをこえると糖度が7度止まりという常識がありました。我々のトマトはその常識を打ち破り、糖度9度を実現しています。大きくて甘いトマトを作るためには、葉にでんぷん質を蓄えさせたりしなければならずそのための工夫もしています。

将来の目標は15段

-トマト棚は高さ2メートルほどですね。

宮田さん 2メートルで花房が8~9段できます。苗が育ち、茎が伸びて花が咲き、さらに受粉して収穫までそこから3000時間を要します。目安として通常、実ができるまでの積算温度が1000度と言われています。これは摂氏20度の日が累積で50日ということですね。

-栽培方法にはどんな工夫があるのですか?

宮田さん トマト棚の両側に花房を全部で15段ほどつくり、大玉で糖度9度以上のトマトをいかに多く育てられるか、これを目標にしています。トマトは気温が高いと実がカルシウム欠乏をおこしてしまいます。トマトの品質、収穫量がさがるのを防ぐために遮光や養液などで調整しています。

広がる販路の秘密は選果機にも

-消費者のみなさんへ美味しく安定した品質のトマトを届ける工夫は?

宮田さん  弊社の開発した選果機によりトマトは均一の品質を保つことができます。糖度センサーをくぐり等級別にベルトで運ばれる先で、従業員が手早くトマトを箱詰めしていきます。作業効率もよく、これによって消費者に納得してもらえる味と品質が提供できると思います。

-スーパーフルーツトマトの味わい方は?

川崎さん  これからの時期、酸味とうま味のバランスが良くなり、3月、4月は味がのってきます。まずはそのまま生食で、トマト本来の味を楽しんでいただきたいです。 もちろん加熱しても、デザートとしてもよろこんで食べていただけると思います。いろいろな料理に加えてみてほしいです。出荷先も東京大田市場をはじめ、多くの百貨店で取引させていただいています。

【取材録】

 トマトはいまや日本人にはなくてはならない野菜ですが、初めて味わった「スーパーフルーツトマト」にはまさに野菜の王者・トマトの新しい面をみせられた思いでした。今までにない、人の舌をとりこにするこのトマトが、今後日本の食文化の中でどのような地位を獲得するのか、興味の尽きない食材です。
>ホームページ http://www.nkk-agridream.com

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