いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > ケン・アンド・マイケル・ベリー・カンパニー

肥料や水の研究者だった都筑憲一さんと鹿嶋市で農業生産法人を経営する出頭克明さんが二人三脚で経営する「ケン・アンド・マイケル・ベリー・カンパニー」 は2005年から、鹿島台地でブルーベリー栽培に取り組んでいます。通常の2倍はあろうかという大きな実が特徴で、ネット上でも評判の高いブルーベリーを栽培しています。合理的な栽培方法と管理が行き届いた農園では、収穫の最盛期を迎えようとしています。

健康という視点から出発

-この土地でブルーベリー栽培に取り組まれたきっかけは?

都筑さん  茨城ブランドの農作物は生産量も多く、味の日本一も多くあります。特にこの周辺ではピーマン、サツマイモ、メロンなどが栽培されていて、そこへ健康という視点から時代にあったものとしてブルーベリーの栽培に取り組むことになりました。

-鹿島の気候風土にも合っていたのですか?

都筑さん  ブルーベリーは北部ハイブッシュ、南部ハイブッシュ、ラビットアイなどの品種がありますが、寒暖の差があると味が乗るメリットがあります。また、地下水に恵まれています。ただ、潮風に当たると花が枯れてしまいます。そのため防虫を含めネットを張り巡らせてあります。

メリット多いバック栽培

-栽培方法も露地ではないんですね。

都筑さん バック栽培という方法です。地下水に養液を入れて、一株ごとに決められた量、時間に液を送り込みます。それらは「安全データシート」に基づいて管理しています。また園内を限りなく衛生的にするため抗菌シートを敷き詰め、園内に入る人には手や靴裏の消毒をしてもらっています。衛生上の管理は農家のできる安全安心だと思います。

-バック栽培の利点は?

都筑さん  コスト的には割高ですが、これより肥料のコントロールが可能です。さらに肥料の養液を一滴も地面に落とすことなく栽培できます。肥料による地下汚染をなくせます。なぜなら、その水をまた自分で使うから。また、バック栽培は通常の栽培よりも10倍の収穫が可能と言われています。

肥料対策はプロの仕事

-養液にも工夫があるのですか?

都筑さん すべての剤は国などの機関が7年ぐらいかけて商品にするのです。用量、用法が決められており、ほかの畑にも影響を与えないようにする。それがプロの仕事だと思います。植物には有機も化学も関係ありません。肥料は分解されてイオン化します。植物はイオンの形でしか根から吸収しないのです。肥料のあげ方によって味も変わります。

-かなり手間をかけて育てているのですね。

都筑さん  お客様は高いと思われますが、これだけ手間をかけても単位面積あたりの収穫は少ないのです。ここでは4500株栽培していますが、我々の工夫で通常の2倍の大きさのブル-ベリーが出来るようになりました。

まず栽培現場を見てもらうことから

-ブルーベリーの将来は?

都筑さん 韓国では一時医薬品登録されていた植物です。日本人が食べていかなければならない食べ物になるのでは。健康食品として「食べるサプリメント」として高い機能性が特徴です。スイーツとしても活用でき、ジャムやソースなどへの加工もできます。品種開発などまだまだ発展の余地があります。

-茨城の農業については。

都筑さん  茨城は東京というお腹に近く、安さに対応してしまうアメリカ型の農業が可能です。そのためおいしくてもどこか中国野菜のような扱いを受けてしまっています。消費者にも責任があるのですが、安くすることで誰かが泣いているのです。日本人には高くても良いものを食べてほしいですね。よく「顔の見える農業」といわれますが、顔だけじゃ分かりません。まず、現場に来てもらって、食べてもらって、どんなに厳しく栽培しているか。それを分かってもらえればスーパーなどで「高い!」なんて言われなくなるのではないでしょうか。

【取材録】

 ブルーベリーは東京都小平市、山梨県北杜市、つくば市が日本三大ブルーベリーの地として有名ですが、茨城は耕作面積が広い半面、出荷量は低いとされています。収穫の手間がかかるために、観光農園として客に摘み取らせることが要因です。栽培管理をきちんとし、生産出荷体制を築けばブルーベリーが「茨城ブランド」になりえることを都筑さんたちの取り組みのなかから発見することができました。
ホームページ http://www.kandm-berry.com

ページの先頭へ

手軽にプロモーションサイトを作る

いばらきの生産者

鬼澤食菌センター
鬼澤宏さん
DATE 2023.09.25
大場農園
大場克利さん
DATE 2023.06.30
山一ファーム
石田和徳さん
DATE 2023.05.25
箕輪農園
箕輪竜さん
DATE 2023.05.18
> 生産者の地域

> 過去の情報 

特集

未来農業報告書

いばらき野菜地図

食と農のデザイン