COLUMN 02 いばらき野菜地図

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大子のりんごには、大子で出会える。

 当り前のようですが、大子育ちのりんごは大子町でしか買えないといっても、過言ではありません。野菜や果物の多くは、市場を通して各地に流通しますが、町内にある約60軒のりんご農園のほとんどが、市場流通はさせていないのです。驚くことに、ほとんどの農園で観光りんご園を営み、収穫期には一般の方がりんご狩りを楽しむことができます。こうした摘み取りのほか、直売がほとんど。個人の農家が直売のみを選ぶことはあっても、町内のりんご農家すべてが市場流通を行わないというケースは珍しいといえるでしょう。

 大子町のりんごの販売スタイルが継続できたのは、豊かな観光資源に恵まれた土地ならでは。日本三大名瀑のひとつである袋田の滝や、数多く温泉などを有し、豊かな自然を求めて観光客が訪れる立地も理由にあるのでしょう。りんごの収穫期にあたる秋にこそ、温泉や山を求めて茨城県内だけにとどまらず、関東各地から観光客が訪れます。自然を愛で、温泉で体を癒し、りんご狩りを楽しんで舌をも喜ばせる。9月には、奥久慈大子りんご祭りも行われています。都心からも、高速道路を使えばそう遠くないのも、功を奏しているようです。

 りんごは果物のなかでも、品種が多いのが特徴です。9月のつがるに始まり、紅玉、千秋、ジョナゴールド、ふじ、王林…と、12月まで品種リレーを行いながら、その時期のりんごを楽しめます。ここ大子町でも40種ほど栽培されているといいます。

 なお、茨城県でのりんご栽培は、南は牛久市、西は桜川市、中心部の石岡市など広域にわたっていますが、ほとんどが少量。県内で、ひいては関東地方でも大きな産地が大子町です。茨城県は、北関東のほかの県と比べて平地が多いですが、ここ大子町は八溝山系の山々が連なる山間地域です。山間部ならではの昼夜の寒暖の差や、陽当たりのよい傾斜地を利用したりんご畑は、りんごの栽培に適していたのでしょう。

 ちなみに、大子町でのりんご栽培が行われたのは、今から約60年前の戦後のこと。当時たった1本だったというりんごの木。今こうして大子町を象徴するひとつに“りんご”があるのは、育ててきた方々の並々ならぬ努力の賜物でしょう。おいしいりんごには、その分だけ歴史と努力がある。ひとくち、またひとくちとりんごをかじるたびに、頭が下がるのです。

 

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いばらき野菜地図

ぽろたん
【オリジナル品種】
DATE 2011.11.28
落花生
【牛久市】
DATE 2011.10.31
あきづき
【オリジナル品種】
DATE 2011.09.29
しいたけ
【常陸大宮市】
DATE 2011.06.29
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