COLUMN 02 いばらき野菜地図

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まさしく水菓子。

 かじるごとにシャキシャキとおいしい音がする。そしてたっぷりの果汁は、まさに水菓子。梨は夏から秋にかけてのほてった体を、クールダウンさせてくれます。

 茨城県の梨の生産量は全国二位で、全体の10%を占めます。茨城県のなかでも南部での栽培が多く、下妻市は筑西市と並ぶ梨の一大産地。下妻市は南西エリアの中心に位置し、小貝川と鬼怒川を擁し、近くに筑波山が望める場所にあります。温暖で平坦な土地がどこまでも続き、水はけがよい地質、これが梨の生育に最適だと言われています。下妻市はこの条件にぴたりとはまります。茨城県での梨栽培の歴史は古く、江戸時代から作っていたという記録もあります。試行錯誤を繰り返し、この栽培の歴史が今のおいしい梨を作ってきたのでしょう。

 栽培している品種は幸水と豊水が9割を占め、新高、さらに2001年に登場した、あきづきという新品種を栽培する農家も増えてきています。あきづきは、現在主流の幸水、豊水、新高の3品種の掛け合わせというぜいたくなもの。大ぶりで甘みが強く、食感もよいと評判上々。隣の千葉県でもどんどん新たな品種を打ち出してきている今、茨城県も負けじと奮闘しています。食べ手の気持ちも汲み、減農薬や有機肥料を使うなど、現状に甘んじることなく常に“今”をとらえて、変えるべきところは変えるという姿勢です。さらに下妻市では、キャラクターを作ったり、ステッカーシールを作って、下妻のブランドをアピール。梨に限らず、食べ手も産地や栽培の方法に興味関心を抱く昨今、産地のアピールはどんどん意味を増していくのでしょう。

 梨を収穫できるのは夏から秋のわずかな期間でも、作業は一年を通してほぼ休みなし。木の剪定(せんてい)に、土づくり、と常に何かしら作業があるのです。そして梨の木は低く、女性でも腰をかがめての作業です。梨の育つ1年を浮かべるたび、ありがたく、その味が何倍にもおいしく感じられるのです。とはいえ、思いを込めすぎて大事にとっておくのは禁物。洋なしとは違って、シャキシャキの食感が命。徐々に水分が失われ、食感も悪くなってしまうので、買ったらすぐに食べるが、梨への最大の礼儀なのです。

※写真は「幸水」です。

※茨城県の梨生産の約9割を占める赤梨「幸水」「豊水」は、栽培面積・生産量ともに全国一。

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いばらき野菜地図

ぽろたん
【オリジナル品種】
DATE 2011.11.28
落花生
【牛久市】
DATE 2011.10.31
あきづき
【オリジナル品種】
DATE 2011.09.29
しいたけ
【常陸大宮市】
DATE 2011.06.29
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