いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > 農業組合法人 七会きのこ生産組合 七会きのこセンター

 城里町の旧七会村は山林を生かして、昔からシイタケ栽培の盛んな土地柄です。また、自然に恵まれ、季節になると天然のキノコが売られています。そのような地域環境を背景に、七会きのこセンターは農事組合法人(中川幸雄代表理事)として遊休施設を利用、新たなキノコの生産を始めました。多品種をパッキングしたキノコの詰め合わせなど、土産品としても注目を集めています。さらに、県内のキノコ農家などともスクラムを組んで特産品の開発にも取り組んでいます。

特産品を作り出すのが命題

-この事業はいつごろから始まったのですか?

中川さん かつて組合があって、国県の補助金でこの施設が建てられたのですが、しばらく生産をやめていました。それを私が法人にして5年前からキノコ栽培を始めました。設備もすべて取り替えて、生産を立ち上げてやっと昨年くらいから採算ベースに乗ってきた感じです。それでも県から補助金をいただいているので、何とか、ここだけの特産品を産み出したいと思っております。

-栽培しているのはどのようなキノコでしょう

中川さん 主にマイタケが中心です。ほかにシイタケ、アワビタケ、タモギタケ、ハナビラタケのあわせて5種類ほどです。それぞれ栽培方法が違ったり、製品化率が違ったり、また、収穫後の日持ちが異なるなどの難しさがあり、どうしても少量多品種になりがちになります。

近年注目されるアワビタケ

-ファミレスでの人気メニューランキングにアワビタケがありました。

中川さん アワビタケはヒタタケの一種で、生産者が勝手に名前を作っています。エリンギなどもヒラタケの一種です。アワビタケはエリンギほど臭いも少なく、食感もあって「アワビのようだ」ということでしょう。最近その名前が広く伝わるようになりました。

-人気商品は需要に合った量の確保も必要ですね。

中川さん アワビタケといっても種類があってヒマラヤヒラタケや白アワビタケなど、関東で作っているのは2カ所ほどです。常陸太田のテクモアという電化製品の製造会社さんが異業種参入ということで、白アワビタケに取り組んでします。私どもはこのような方やワンアイテム生産で困っている生産者さんのキノコを集め、ここで加工して、量的にさばけるシステムを作っていければと思っています。

高級品種にも取り組む

-キノコ業界ではどのようなものが人気ですか?

中川さん 一般の消費者は知名度のないキノコには手を出しません。その中でも近年注目を集めているのはハナビラタケです。国内でも自生していて、天然物は8000円ぐらいします。

-そのハナビラタケも栽培しているのですね。

中川さん ハナビラタケは抗体作用が強く、他の菌を寄せ付けないのです。さらに、すぐに胞子が飛んでしまうので、扱いが難しいキノコです。生産効率も5割ほどで、酸素を止めるパッケージの方法などノウハウが少しずつ分かってきました。

特産品化への道筋

-キノコが特産品となるにはどのような課題がありますか?

中川さん 生産体制をしっかりと作る事ですね。ここでは培養室などでは温度、湿度、酸素などを厳密にコントロールして、安定した生産体制をとっています。注文に応えられるような体制が必要ですね。現在1日100キロほど出荷しており、13カ所ほどに卸していますが、急に1日100キロ欲しいと言われても無理。キノコは最低4カ月は掛かるのです。

-販売方法や加工品化へどのようにお考えですか。

中川さん お歳暮やお中元としての贈答用に1000円ほどからの詰め合わせを用意しています。また、ゴルフの景品などにも利用していただいています。直接こちらに来て買い求めるお客さまもいます。もっともっとホテルやレストランなどでも使っていただきたい。アワビタケなど水戸市内のレストランや洋菓子屋さんで新メニューとして加工して名産品にしてくれれば、ブランディングも上手くいくのではないでしょうか。

 

【取材録】

 中川幸雄さんは元デザイン関係の仕事からの転職組。七会のキノコを何とか特産品にしようと懸命な努力を続けています。また、県内のキノコ生産者らとの協力体制も築き上げ、一体となって販路拡大に努めていました。最後におっしゃったように、特産品として「水戸の人気メニューを作って欲しい」との願いがかなう日も近いに違いないでしょう。
ホームページ/http://www.nanakai-kinoko.net

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