いばらきの生産者

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筑西市(旧協和町)発祥のブランド豚・キングポーク。その肉質は、キメが細かくとても柔らかい。そして、濃密にサシが入っていて、肉の締まりもいいので調理をしやすいという特徴があります。何よりも、とろけるような食感と豊かな風味は、まさに、「豚肉の王様」と呼べる品質です。
このような肉質ができる秘密は、三元配合と飼料にあります。ランドレース、大ヨークシャー、デュロックという3種の豚を配合し、独自配合の飼料で育てることで、キングポークの肉質になるのです。現在、茨城県では8軒の養豚農家がキングポークを生産しています。
その内の1件が城里町の大畠農産です。大畠農産では、キングポークの年間出荷頭数3万頭のうち、7千頭を出荷しており、消費活性化イベントにも積極的に参加しています。
豊かな自然に囲まれている城里町で作られたキングポークは、一味違った味わいがあるとのこと。果たして、その違いは? そして、美味しいキングポークの食べ方とは? 

城里町の自然が、おいしいキングポークを育てる。

ー大畠農産で飼育しているキングポークに、特徴はありますか?

大畠さん 同じ系統で同じ餌を食べさせているので、理屈でいえば同じような豚ができなければおかしいのですが、それでも農場によって違いが出てきます。当農場のように山の中で育てている農場もあれば、街の中で育てている農場もあります。統一性を持たせたとしても、育てている環境が違うと、仕上がってくる豚に違いが生まれます。他の農場と比べた時に、当農場の豚は油が厚いのが特徴です。それと、丸々としている豚が非常に多いですね。油が乗っているので、サシが入りやすく、包丁を入れた時に肉崩れしません。

ー城里町の自然環境が肉質にも影響しているのでしょうか?

大畠さん ここの環境は悪くないですね。夏でもそれほど暑くならないですから。その代わり、冬はとても冷え込みます。それでも、山の谷間にあるので風が吹き込まない為、気温が低くても体感温度はそれほど低く感じません。

ー環境が良い分、豚へのストレスも少ないのでしょうね。

大畠さん そうですね。でも、ストレスがない環境が良いかというと、そうとも言い切れません。ある程度のストレスがないと、豚がストレスに弱くなってしまいます。日頃からストレスがかかっている豚は、ストレスには強いですが、肉の色が赤くなります。肉の色で、味が変わることはないのですが、消費者の方がお店で肉を買う時に、薄いピンク色を選ぶ人が多いという傾向があります。購買意欲をそそる色なのでしょうね。その点、当農場の豚肉は、ストレスの少ない環境で育てているので、薄いピンク色をしています。

食材の良さをそのままに、シンプルに食す。

ーおすすめの調理方法はありますか?

大畠さん 肩ロースを4ミリ位の厚さに切って、それを普通に炭で焼いて、塩コショウをかける。シンプルですが、キングポークを一番おいしく食べる方法です。基本は塩コショウで充分です。下手に調理してしまうと、素材の良さが消されてしまい、もったいない。調理の過程を楽しみたい方は、コーラ煮やダッチオーブンで食べるのがいいと思います。スモークをかけてベーコンを作るなどの、酵素を入れて肉を柔らかくする調理方法もありますが、キングポークの場合は肉自体が柔らかいので、下手な手間を加える必要がありません。

ー大畠農産のキングポークは、どこに行けば食べられますか?

大畠さん 城里町では、割烹川広さんとホロルの湯さんで、他の地域では、那珂市のファミリーキッチンさん、それから茨城県内のかつ太郎さんでも扱って頂いております。あとは、東京のレストランが多いですね。それと、毎年11月に開催される城里町の産業祭では、キングポークのスペアリブを販売しています。他にも、依頼があった場合は、イベントに積極的に参加するようにしています。

肉と一緒に、情報を提供したい。

ー大畠農産の今後の展開をお聞かせください。

大畠さん 私がこの場所でキングポークというブランドの豚を育てていることで、それが城里町の発展につながるような、そんなことをやっていきたいですね。
それと、食品なのでインターネットでの販売よりも対面販売にこだわりたいです。体に入れるものだからこそ、直接消費者に販売したいという想いがあります。
例えば、イベントではダッチオーブンのローストポークを作る場合が多いのですが、焼き上がって鍋を開けた時に、見ている人たちからたくさんの歓声が上がります。ただ食べておいしいじゃなくて、一連の流れを見せてあげると、お客さんは喜びますね。
一般の消費者は、ただ素材を渡されただけだと、どのように調理していいかわかりません。そこで、その素材を調理する知識を目の前で見せてあげると、みなさん喜んで調理するんですよ。「肉」一つに対して、色々な楽しみ方があるという「情報」を、お肉と一緒に提供していくのも楽しいですよね。

【取材録】

大畠さんがキングポークを初めて食べたのは、学生時代の頃。神奈川県で一人暮らしをしていた大畠さんは、実家から持ち帰ってきたキングポークを食べた時、その味に衝撃を受けたと言います。「どんな味でしたか?」と聞くと、「何と言うか……。一言で言えば、すごくおいしかった」。
この大畠さんのシンプルな感想の言葉は、味を表現する他のどんな言葉よりも、感情がこもっているような気がします。
「すごくおいしかった」
その感動を、今度は消費者に届けたい。そのような想いが、おいしい豚肉を作る一番の秘訣なのかもしれません。

■有限会社大畠農産
茨城県東茨城郡城里町錫高野2661-1
Tel. 029-288-3017
Fax.029-288-3017
キングポーク生産組合ホームページ http://king-pork.jp/index.htm
割烹川広 キングポーク紹介ページ http://kawa-hiro.com/kingpork.html

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