いばらきの生産者

HOMETOPICSTOPICS01 > 有限会社 栗原農園

 常陸太田市ののどかな山村風景の一角に、整然としたハウスが建ち並びます。ハウスの中をのぞくと、そこには腰の高さほどに白いシートが張られ、緑のこねぎがきれいに整列していました。水耕栽培で野菜を作る栗原農園の”畑”です。古くから行われているという水耕栽培のメリットを生かした新鮮で安全な野菜作りの最先端の”畑”でした。

生産効率の拡大と安定供給を実現

-どのようなきっかけで、水耕栽培を始めたのですか

栗原さん 家は代々、米を作っていたのですが、平成5年に脱サラして、自分の土地で勝負できるものを作りたいと考えていたのです。稲作では利幅が小さく、収入もわずかです。年間を通して安定して出荷できるものとして、水耕栽培で野菜を育ててみようと思い、思い切って鉄骨ハウスを建て、水耕システムを導入したのです。

-ここでの水耕栽培はどのようになっているのですか

栗原さん 水耕栽培は水が命と言っても過言ではありません。幸い、清冽な山田川が流れており、この水を利用して水養液を作っているのです。水耕栽培では土壌で発生する病原菌の侵入を防ぐことができ、農薬を使う必要がありません。万一、病原菌に冒されたら水養液を交換するだけで済みます。また、ハウスで育てることで、風水害はもちろん害虫も防げます。水を大量に使うイメージがあるかもしれませんが、タンクとハウス内の水はろ過させながら循環させていますので、省エネなんです。

-水養液だけで野菜を育てているのですか

栗原 水耕栽培ではこねぎのほかにサラダ菜やハーブ類も栽培しています。もちろん米や露地野菜もやっていますが、約8割をこねぎが占めています。ハウス内ですくすく育った野菜はストレスが無く、生育期間が短いため、鮮度も長く保つことができます。こねぎは「金砂郷こねぎ」のブランド名で出荷し、配達は市場以外では農園からそれほど遠くない範囲に限っています。希望者には積極的に農園に足を運んでもらい、生産現場を見て、野菜を味わってから取引をしてもらっています。

-生産ばかりでなく食の現場にも強いパイプをもっていますね

栗原さん 妻は野菜ソムリエで茨城県の女性農業士の資格を持っており、息子も野菜ソムリエで調理師の免許も持っています。生産者としての野菜の知識だけではなく、生活者の視点で食を見つめ、生活の提案もしていこうという活動にも取り組んでいます。また、取引先にはレストラン関係も多く、外来品種や新種野菜を使った食べ方の提案なども行っています。いろいろな現場へ出向くことで、食と農の活性化のお役に立てればと思っています。

-家族ぐるみで農園が運営されているのですね

栗原さん やはり若い人たちに農業が魅力あるものだと感じてほしいですね。そのため、農業に抵抗なく取り組める環境作りをサポートしていきたい。私たち家族の姿を見せることも、そのひとつです。

【取材録】

 栗原農園には3haの敷地に5棟の鉄骨ハウスが並んでいます。家族のほかにパートさんを含めて、毎日、新鮮野菜が出荷されていきます。作業に励む皆さんは笑顔がとても素敵です。町のイベントなどでも「栗原農園」のテントを見かけることも多く、積極的に野菜を売る姿は、自信と希望にあふれているようです。栗原農園の経営方法は、これまでの農業のイメージを払拭する新しい農業への大きなヒントを与えてくれています。

■有限会社 栗原農園
茨城県常陸太田市芦間町1091
Tel. 0294-76-0120
Fax.0294-76-0259
>ホームページ http://kurifarm.net/

ページの先頭へ

手軽にプロモーションサイトを作る

いばらきの生産者

鬼澤食菌センター
鬼澤宏さん
DATE 2023.09.25
大場農園
大場克利さん
DATE 2023.06.30
山一ファーム
石田和徳さん
DATE 2023.05.25
箕輪農園
箕輪竜さん
DATE 2023.05.18
> 生産者の地域

> 過去の情報 

特集

未来農業報告書

いばらき野菜地図

食と農のデザイン